京都地方裁判所 昭和23年(行)18号 判決
原告 ヨコイ工業株式会社
被告 右京税務署長
一、主 文
被告が昭和二十三年二月十三日附で原告に対して戦時補償特別税課税価格を二百十一万千五百五十八円七銭と更正した処分を取り消す。
訴訟費用は被告の負担とする。
二、事 実
原告訴訟代理人は主文同旨の判決を求め、その請求原因として、原告は戦時補償特別措置法による課税価格を金九十万八百五十八円七銭と申告したところ、被告はなお金百二十一万七百円の申告洩れがあるとして昭和二十三年二月十三日右課税価格を金二百十一万千五百五十八円七銭と更正し、該通知書は昭和二十三年二月十八日原告に送達された。然しながら右更正は違法である。すなわち原告は昭和十八年来政府に対し滑空機「若草」及び滑空機「秋水」の製作方を請け負い、その契約内容の細目については昭和十九年一月に「若草」五十機につき納入期日を同年九月末日迄、製作費は一機当り金二千八百円の割合による計金十四万円とし、その六割に相当する金八万四千円の前渡を受け残額は納入の都度支払を受けることゝ定め、次いで同年三月頃「若草」百機につき納入期日を昭和二十年九月十五日迄、製作費は一機当り金五千円の割合による計金五十万円としその内一機当り金二千二百四十円の割合による計金二十二万四千円の前渡を受け残額は納入の都度支払を受けることと定め、更に翌二十年五月に「秋水」六十五機について最終納入期日を同年九月末日、製作費は一機当り金五万円の割合による計金三百二十五万円とし、その八割に相当する金二百五十六万円の前渡を受け残額は納入の都度支払を受けることゝ定めた。なお右滑空機製作に必要な特殊金具は政府において第三者に製作させこれを原告に提供することになつていた。原告は昭和十九年中頃より同年十月頃までの間数回にわたつて政府より前記各約旨による前渡金として合計金二百八十六万八千円の交付を受けて製作に専念し、ポツダム宣言が受諾せられた昭和二十年八月十四日迄に「若草」九十五機「秋水」十七機以上合計金百三十七万五千円に相当するものを納入したが政府より提供あるべき金具の提供がないため完成納入出来なかつた「若草」五十五機、「秋水」二十機を含め合計金二百三十三万円余に相当する仕掛品を見るに至つたのである。ところが政府は右滑空機製作契約は軍需省航空兵器総局契約心得(以下契約心得と略称する)記載内容事項をその契約内容とするものであるとし、而して右ポツダム宣言受諾の事実は契約心得第十四条にいわゆる「己むを得ざる事由」に該当するものとして同年九月六日原告に対し契約解除の意思表示をした。そして一方的に右原告の仕掛品の価格を金百二十一万七百円と査定し該額を以て原告の蒙つた損害であるとなし、右損害は政府において契約心得第十五条により賠償すべきものすなわち原告は右損害賠償請求権を有するとなし、他方政府は前記前渡金二百八十六万八千円から既納品代金百三十七万五千円を控除した残額百四十九万三千円の返還請求権を有するとなし、昭和二十一年六月二十八日その対当額について相殺する旨の意思表示をした。右相殺により決済を受けた金額百二十一万七百円も戦時補償特別措置法にいう戦時補償請求権であつて課税の対象になるとして原告の申告価格にこれを加算したのである。ところで原告は右の如き戦時補償請求権として課税の対象になる損害賠償請求権を有していないのである。何となれば
一、元来本件滑空機製作契約は契約心得記載内容をその内容とするものではなく契約心得を原告は了知せずそれは原告に対し拘束力を有しないものである。従つて被告は契約心得第十四条による契約解除権を有せず、右解除の意思表示は何の効力も生じないのであるから原告は契約心得第十五条による損害賠償請求権を有する理はない。
二、政府は国民に対し敗戦という切迫した事実を故らに隠蔽し、国民を戦争遂行の途に駆り立てながら昭和二十年八月十四日ポツダム宣言を受諾し翌十五日これを国民に発表したのである。而して右ポツダム宣言第十一項及びこれが細目規定である同年九月二日の一般命令第一号の第八、第十二項によれば日本国は右宣言を受諾した昭和二十年八月十四日限り兵器の製造を禁止せられたものであるから、同日限り原告の政府に対する滑空機製作供給債務は政府の責に帰すべき事由により履行することができなくなり消滅するに至つた。従つて同日以後は政府において解除権を保有するいわれなく、原告は政府の契約解除に基く損害賠償請求権を取得し得ない。
仮に八月十四日のポツダム宣言受諾の事実に基く履行の不能が政府の責に帰すべき事由でないとしても勿論原告の責に帰すべき事由であり得ないから本契約に基く債権債務は共に消滅することゝなり、原告より政府に対する損害賠償請求権の成立する余地はない。
以上いずれの見地よりしても原告は政府の契約解除に基き仕掛品についての損害賠償請求権を有しないのであるから、これを有することを前提としてなされた本件更正の処分は違法として取り消さるべきものである。原告は昭和二十三年二月二十七日大阪財務局長に審査の請求をしたがその後三ケ月を経過しても何等これについての決定がないから、本訴請求に及んだものであると述べ、被告の答弁に対し、昭和二十年八月十六日政府が被告主張の如く原告に対し契約軍需兵器の製造停止の通達乃至契約解除の意思表示を示した事実はない。又原告と政府との間に損害賠償の合意が成立したことはない。原告は仕掛品製作費が前渡金額を超過したから原告はその超過額だけの補償を受ける目的で計算書を政府に提出したがこれにより原告と政府との間に新たな損害賠償の約定が成立したものとすることはできない。仮に損害賠償の合意が新たに成立したものとしてもそれは本契約の法律上の効果として生じたものではなく、新たな和解契約というべきである。従つてそれによる請求権は戦時補償特別措置法第一条第一項第二号に該当する請求権ではあり得ないと述べた。(立証省略)
被告指定代理人は原告の請求を棄却する、訴訟費用は原告の負担とするとの判決を求め、答弁として原告主張の事実中、原告と政府との間の滑空機製作契約について、その製作に必要な特殊金具は政府の責任において第三者に製作させた上原告に引き渡す旨の特約があつたこと、昭和二十年八月十四日現在において右特殊金具さえあれば原告において完成し得るものとして、「若草」滑空機五十五機、「秋水」滑空機二十機があつたこと並びに本更正に違法の瑕疵が存することは争うがその余の事実はこれを認める。
政府は原告に総額三百八十九万円に及ぶ滑空機製作方を請負わしめるに当つて契約心得記載事項を以て契約条項とし、政府において「已むを得ざる事由」ありと認めたときは一方的に本契約を解除し得ること(契約心得第十四条)その時は右解除により原告の蒙つた損害は政府において賠償すること(契約心得第十五条)を定め金二百八十六万八千円の前渡金を原告に交付したところ、代金百三十七万五千円に相当する滑空機が納入され残余について未だその納入を見ない中に昭和二十年八月十五日の終戦を迎えるに至つたものである。而して右終戦の事実は留保した解除権を行使すべき「已むを得ざる事由」に該当するので政府は未納部分について契約を解除することゝし、第一次的には昭和二十年八月十六日更に念のため昭和二十年九月六日原告に対しその旨意思表示をなし、而して右意思表示はそれぞれ即日原告に到達したものである。よつて本契約は有効に解除せられ政府は原告に対し先に交付した前渡金中納入品代金に相当する額を控除した残金百四十九万三千円の返還請求権を取得すると同時に原告に対し契約心得第十五条に則り右解除により原告の蒙つた損害を賠償する義務を負うに至つた。政府は右原告の損害を金百二十一万七百円と査定し、昭和二十一年六月二十八日前記前渡金返還請求権を以て右賠償債務と対当額につき相殺する意思表示をなし、右意思表示はその頃原告に到達した。右原告の政府に対する損害賠償債権は戦時補償特別措置法第一条第一項第二号第八条により課税価格たるべきものであるから被告は本更正をなしたものである。
原告は政府がポツダム宣言を受諾することによつて滑空機製作供給債務は履行不能になり而もそれは政府の責に帰すべき事由によるものであると主張するが、右見解は当らない。ポツダム宣言は日本国に降伏の機会を与えるためになされた連合国の一方的意思表示で、日本国を拘束するものではなくいわんや日本国民を拘束するものではない。ポツダム宣言が日本国及び日本国民を拘束する効力を存するに至つたのは同年九月二日右宣言が降伏文書の内容とされ日本国によつて調印せられ次いで一般命令が発せられてから以後のことである。従つて昭和二十年八月十五日以降九月二日迄は政府と国民との間の軍需品納入契約は何等影響を蒙ることなく、政府はなお留保した解除権を行使すると否との自由を有し、解除権を行使せず軍需品の納入が行われた場合にはこれを廃棄し他に転用し、或は連合国に引き渡す等いずれの措置を取るも政府の自由であつたのである。併し政府は昭和二十年八月十六日原告会社に対し近畿軍需管理部京都出張所長並びに原告会社駐在監理官をして口頭を以て契約軍需兵器の製造を停止すべきことを通達することにより契約解除の意思表示をしたのである。通達には契約解除という字句こそ用いられていないが、当時その背景をなす客観的事情にかんがみてそれが契約解除を意味することは多言を要しない。政府は右契約解除に伴い契約心得第十五条により原告の蒙つた損害を賠償すべきであり、その損害賠償額は政府の査定した仕掛品の価格金百二十万七百円に相当し、原告は金百二十一万七百円の損害賠償請求権を取得したのである。従つてこれを課税価格に加えた本件更正の処分には何等の違法はない。
仮に契約解除に基く損害賠償請求権を原告が有するという被告の主張が認められないとしても政府は特に「昭和二十年八月十五日において現に存した契約に関し生じた損害」を補償すべきことを決定し、同年九月上旬頃原告にこの旨通告したところ、原告はこれに応じ直ちに金二百三十三万円余の損害ありとして政府に計算書を提出し、その賠償を請求したのであるから、ここに政府対原告の間に、金額の点には争いを存しながらも損害賠償の約定が成立した。原告がこれによつて取得した請求権は昭和二十年八月十五日において現に存した契約に関し同日後に生じた損害に因るものであつて、戦時補償特別措置法第一条第一項第二号により課税の対象となるものである。従つて結局被告の本更正は正当であつて違法はない。と述べた。(立証省略)
三、理 由
原告が戦時特別補償特別措置法による課税価格を金九十万八百五十八円七銭と申告したところ被告は金百二十一万七百円の申告洩れがあるとしてこれを昭和二十三年二月十三日金二百十一万千五百五十八円七銭と更正し、該通知書は昭和二十三年二月十八日原告方に送達せられ、原告はこれに対し同月二十七日大阪財務局長に審査請求したが、三ケ月間に何等の決定を見なかつたこと、政府は戦時中原告と総額三百八十九万円に及ぶ滑空機製作契約を締結し金二百八十六万八千円の前渡金を交付したが原告は代金百三十七万五千円に相当する滑空機を納入し残余の納入を見ない中に昭和二十年八月十五日の終戦を迎えるに至つたこと、政府は原告に対し同年九月六日右契約を契約心得第十四条に依拠して解除する旨の意思表示をしたこと、政府が原告の仕掛品の価額を金百二十一万七百円と査定し、この金額は原告の蒙つた損害で契約心得第十五条により賠償すべきもの、すなわち原告は右損害賠償請求権を有するとなし、他方政府は金百四十九万三千円の前渡金残額返還請求権を有するとなし、昭和二十一年六月二十八日その対当額につき相殺する意思表示をしたことは当事者間に爭いがない。
被告は政府は原告に対し昭和二十年八月十六日にも原告との間の前記契約につき解除の意思表示をなし、同日右意思表示は原告方に到達したと主張するが被告の全立証によるもこれを認める心証を引かない。もつとも証人飛弾(第一、二回)の「昭和二十年八月十六日近畿軍需部管理部長はその管内の監理官をしてその担当軍需会社に生産停止を通知させた」旨の証言と、証人土屋の証言によりその成立を認め得る乙第四号証(昭和二十年八月二十六日附の供給者に対する兵器々材契約整理措針)第一項の「八月十五日現在のまゝ生産停止命令が出してあるので…………」との記載とをあわせ考えると同日頃原告に対しても生産停止命令が通達された事実はこれを推断するに難くはないが右「生産停止」の通達を以て「契約解除」の意思表示がなされたと解するのは全然当らない。それは字義から見ても前記乙第四号証の第一項に生産停止、第五項以下に契約解除の字句があることに照しても明白であろう。当時の客観的事情を一言にしていえば終戦の翌日のことであり未だ軍需兵器生産契約自体をどうするかその終局的解決を図る時期でもその段階でもなかつたと把握するのが相当であるし、又後述する如きポツダム宣言受諾の効果から考えれば軍需品の一応の生産停止の措置こそ時宜に叶つた妥当な措置であつたというべきではあるまいか。この点に関する被告の主張は採用できない。そうだとすれば、政府が原告に対し契約解除の意思表示をしたのは当事者間に爭いのない昭和二十年九月六日であり、それ以前には解除の意思表示はなかつたものといわなければならない。
被告は右契約解除は契約心得第十四条に則つたものと主張するのに対し、原告は本滑空機製作契約心得記載事項を契約条項とするものではないと抗爭するので考えてみる。証人土屋、寺門、青柳、白木、飛弾(第一回)の各証言により成立を認め得る乙第一号証の一、二に証人阿部、土屋、寺門、青柳、白木、飛弾(第一回)の各証言を綜合すれば本契約については契約心得記載事項を以て契約条項としたものであつて、従つて政府は約定解除権を有し同心得第十四条により政府は已むを得ざる事由があつた場合は契約を解除し得ること、同心得第十五条により右解除のため原告に損害を蒙らせたときはその損害を賠償することを約した事実を認めるに十分である。原告援用にかかる全立証を以てするも右認定を左右するに足らない。
ところで原告は昭和二十年八月十四日日本国がポツダム宣言を受諾したことによつて日本国民は兵器の製造をなし得なくなつたものであるから同日限り原告の政府に対する滑空機製作供給債務は政府の責に帰すべき事由少くとも原告の責に帰すべからざる事由により履行不能となつて消滅し、従つて同日以後政府は解除権を有するいわれがなく原告は政府の契約解除に基く損害賠償請求権を取得し得ないと主張するので考えてみる。一九四五年七月二十六日ポツダムにおいて合衆国、英帝国、中華民国の三国政府首脳者に依り発表せられ、後にソ聯政府の参加を見た共同宣言は日本国に対し今次の戦爭を終結する機会を与えるためになされた連合国の一方的意思表示であつて同年八月十四日右宣言の受諾を通告することによつて、日本国は最後的打撃を加えられることなく終戦の機会を持つことになつたのである。日本国はポツダム宣言を受諾したが宣言そのものに正式に受諾の署名をしたのではないからそれによつて宣言の各条項が正式に法的拘束力を持つたということはできない。又日本国が右受諾の通告によつて何等かの拘束を受けるとしても、そのことによつて日本国民までが宣言の条項に拘束される地位に立たされたとすることはできない。いわんやポツダム宣言の即刻の要求は日本国軍隊の無条件降伏である。宣言に定められた日本国の降伏條件は連合国の日本国に対する根本的な目的、管理の方針ともいうべきものであり、それによつて連合国の欲する日本国の将来の姿を描き出したものに外ならない。その目的達成のために実施せらるべき即刻の要求は、同宣言自体には規定されていないのである。同宣言第十一項に「日本国はその経済を支持し且つ公正なる実物賠償の取立を可能ならしむるが如き産業を維持することを許さるべし。但し日本国をして戦爭のため再軍備をなすことを得しむるが如き産業はこの限りにあらず」という条件が置かれている。この条件によりポツダム宣言の受諾の結果として、近き将来、日本国は戦爭のための再軍備を可能ならしめる産業を持ち得ず、兵器生産は許されないことになることが十分に予想せられるとはいえ、それは将来の日本国の姿であつてポツダム宣言にはそれをどのようにして実現させるかについての規定や当面の現実の兵器生産行動を禁止制限するような規定は置かれていないのである。従つてポツダム宣言受諾後も日本国政府及び日本国民が依然として兵器生産を続けることは法律上許されない不能であるということはできない。もとよりポツダム宣言を受諾した日本国政府としては兵器生産を一応停止し、生産された兵器は現状の儘良好なる状態において保持するため、適当な措置を講ずることが時宜に叶つた妥当な措置であろうが、それは法律上義務付けられたことではないのである。以上に述べたところにより日本国がポツダム宣言を受諾した昭和二十年八月十四日限り原告の滑空機製作納入債務は履行不能になつたという原告の見解の正当でないことは明らかであろう。併しながら同年九月二日にはポツダム宣言の内容をその内容とする降伏文書が日本国によつて調印せられ、ここに国家統治の権限は連合国最高司令官の制限のもとに置かれることゝなつて、同日国内規範としての一般命令第一号が布告せられ、日本国も日本国民もその第八項「一切の兵器弾薬及び戦爭用具の製造及び分配は直ちにこれを終止するものとす」との規定により兵器の生産を禁止されるに至つたものである。従つて同日を以て原告の政府に対する滑空機製作供給債務は履行不能により消滅したものと解するのが相当である。右履行不能の事由は債務者たる原告の責に帰すべからざる事由であることは多言を要しない。従つてそれが債権者たる政府の責に帰すべき事由であるとすれば原告は債務を免れながら、なお代金債権を有し、政府の責にも帰すべからざる事由であるとすれば原告の代金債権も消滅する関係、すなわち原告は依然として代金債権を有するか、代金債権を失つたかいずれかである。そのいずれであるかを問わず、原告は政府の側からする約定解除権の行使に基いて仕掛品相当額の損害を蒙むる理はない。原告はかような損害賠償請求権を政府に対して取得するといわれないのである。果してそうだとすれば、原告は被告が戦時補償特別税の課税価格に加えた如き請求権を有しないものといわなければならない。
次に被告は政府は原告の「昭和二十年八月十五日において現に存した契約に関し生じた損害」を補償すべきことを決定し昭和二十年九月上旬頃原告にこの旨通告したところ、原告はこれに応じ金二百三十三万円余の損害があるとして政府に計算書を提出したから政府対原告の間に金額の点に爭いを存しながらも損害賠償の約定が成立した。原告がこれによつて取得した請求権が昭和二十年八月十五日において現に存した契約に関し同日後に生じた損害に因るものとして課税の対象になると主張する。併しながら被告主張の如き折衝によつて原告と政府との間に原告に損害賠償の請求権を取得させる合意が成立したものということを得ないのみならず戦時補償特別措置法第一条第一項第二条いわゆる「昭和二十年八月十五日において現に存した契約に関し同日後に生じた損害若しくは損失に因るもの」とは右現存契約のその後における解除解約等によつて生じた損害賠償請求権の如きを指称するものであるから、被告の右主張は採用し難い。
然らば被告の本更正は違法であつて取り消さるべきことは明らかであるから原告の請求を認容し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八十九条を適用して主文の通り判決する。
(裁判官 平峯隆 藤原啓一郎 鰍沢健三)